お身体の冷えや、不妊、また更年期によくあるお悩み、一人で抱え込んでおられませんか?
冷え、不妊、更年期のお悩みは、未病(みびょう)と言います。
未病という名前をはじめて聞かれた方もいらっしゃるでしょう。
これは、東洋医学の概念なので、知らない方のほうが多いです。
病院に行っても、原因が分からない、病名もつかない。
あるいは、気になる程度だから病院に行くほどでもない。
こういう不調の状態を、未病(みびょう)と言います。
未病は、まだ、病気にはなっていないのですが、でも、病という字が使われています。
ですから、健康でもない、でも、病気でもない。
健康と病気のちょうど間にある、これが、未病の状態です。
さて、冷えや不妊、更年期のお悩みを抱えておられるとき、お身体からどんなサインが出ていますか?
冷え、不妊、更年期。
この3つの悩みは、一見バラバラなように見えますが、実は…。
どれも、未病という、病気ではないけれど完全に健康とは言えない状態なのです。
そして、この3つのお悩みは、からだの奥では同じ原因が存在しているのです。
なぜそう言えるのでしょうか?
悩みが違ったら、原因は違って当然と普通なら考えられるかもしれません。
これは、現代医学に慣れてしまっている、わたしたちの思考ゆえの考え方かもしれません。
現代医学は、病気や不調を、からだのパーツごとにとらえていきます。
病名を決め、その病気を局所的に治療する優れた医学です。
一方、中医学(漢方)ではどうでしょうか?
病名のない未病でも、パーツではなくからだ全体から不調や病気をとらえていくため、薬膳(食事)や鍼治療、漢方薬で予防を中心とした医学です。
ここで、中医学(漢方)の視点から冷え、不妊、更年期のお悩みにどんな原因が潜んでいるのかご紹介していきます。
あくまでも、ここでは、一般的に考えられる原因をご紹介します。
個人の体質は一人ひとり異なり、体質診断していない時点では明確には原因が分からないためです。
この点をどうぞ、ご了承ください。
【体質】:
もともとわたしたちは、約10か月もの間、お母さんの身体の中で過ごしやがて誕生します。
ですから、生まれたとき、赤ちゃんの体質は特にお母さんの体質を受け継ぎやすいと言えます。
10か月もの長い間、お母さんの食生活やライフスタイルが赤ちゃんに影響しないことは考えられません。
お母さんの食の好み、味の好み、甘いものの好みなども赤ちゃんの体質に影響します。
また、お母さんが多忙すぎる、立ちすぎ、座りすぎなど、ライフスタイルもかなり影響しています。
このように体質の部分は、先天的なものでのちに変えられないことも多いのですが、次に、後天的な部分についてご紹介していきます。
【食生活】:
体質とは違い、後天的な部分になります。
誕生後、現在に至るまで欠かさず毎日、食事を摂られてきています。
この後天的な食生活の積み重ねが、不調の原因にも大きく影響しています。
幼児期、小、中、高校生と成長する中で、家庭によって食生活、食の好み、傾向はさまざまです。
また成人してから現在まで、人それぞれ食生活は自然と習慣化しています。
習慣化の中で、良く食べる食材、あまり食べない食材、好みの味、好みの調理法などいつの間にか偏りが出やすくなります。
食生活の中で偏りが出ると、からだの陰(血と水分)と陽(気)のバランスが崩れることになります。
【ライフスタイル】:
どんな日常生活を送られているか、ライフスタイルも原因に影響しています。
30歳から60代の女性なら、家事、育児、介護、仕事などご自身の体調に振り返る暇もないほど、体と心はいつも酷使しがちです。
これによって、からだの陰(血と水分)と陽(気)のバランスが崩れることになります。
【風土】:
どんな地域、どんな風土にお住まいかなども影響していると考えます。
川の近くなら湿気が多いでしょうし、暑い地域なら、乾燥しています。
寒い地域なら、冷えやすく体が温まりにくいです。
湿気や乾燥、寒さなど、これらの自然界の特徴は、体の表面の肌から常に侵入してきています。
体の中の肝(臓)、心(臓)、血の巡りなども、この湿気や乾燥を直接影響を受けています。
【情報過多】:
今は情報過多の時代、パソコン、スマホから情報が勝手にどんどん入り込んでいる状態と言えます。
自然と頭や目、耳が休まれない不自然な状態を作り、体に必要な血や水分を消耗させてしまいます。
【空調設備】:
冷房、暖房で快適に過ごしやすくなった半面、からだへの影響も見逃せません。
冷房は寒い風を受けているのと似た状態、暖房も温かい風を受けている状態のため、これによって、からだの陰(血と水分)と陽(気)のバランスが崩れることになります。
次に、人の体質に注目して、さまざまな不調が起きる原因を見ていきます。
中医学(漢方)では、未病のない健康な人(平和体質)と、未病がある不健康な人(下記の8つの体質)の2つに、大きく分類しています。
*漢方では体質の見方が、多少異なっています。こちらは中医学の体質の見方です。
【気虚体質】ききょ
このタイプの方は、元気が出ない、元気が出せない状態です。
気(生命エネルギー)が乏しいため、肝(臓)、心(臓)、肺など臓器を動かすエネルギーが少ない傾向にあります。
気は目に見えませんが、動く物質です。
気が虚して、乏しいので、さまざまな不調の発端を招きやすい体質です。
たとえば、血のめぐりが悪くなる、血が作られない、要らない水が溜まってしまうなどの症状が出ます。
血が少ないと、末端まで届きませんし、血が少ないと、流れが自然と悪くなります。
要らない水がたまると、これが血の巡りや気の巡りが悪くなる原因を作ってしまうことにつながります。
【気滞体質】きたい
このタイプの方は、気の量が多くても、何らかの理由で気がスムーズにめぐっていない状態です。
気は目に見えませんが、ちょっとしたストレスでも滞りがちです。
滞っている場所に、熱が出る場合もあります。
気が滞っていると、気と血は、一緒に走っていると考えますから、血は停滞しがちになります。
血が停滞すると、手足の末端まで巡りづらくなりますから、さまざまな不調が出やすくなります。
【血虚体質】けっきょ
このタイプの方は、赤い血が不足している状態です。
病院の数値で貧血と診断されていなくても、血虚体質の方は多く見られます
現代は、ストレスが多く考えすぎや、多忙すぎる生活スタイル、パソコンなどで目を酷使しがちなのも、原因の一つと考えられます。
血が不足すると、血の停滞を招き、血が塊になってさまざまな不調が引き起こされる原因になります。
【血瘀体質】けつお
このタイプの方は、血がドロドロとして停滞しがちになっている状態です。
何らかの原因で、血が停滞しているため、からだの水分も停滞していることが多いです。
体のどこかに痛みが出てしまうことが多く見られます。
【陰虚体質】いんきょ
このタイプの方は、血やからだのきれいな水が不足している状態です。
からだが砂漠のように、少し乾燥しているイメージです。
自然界でも乾燥がすすむと、火が自然発生するのと同じで、どこか、体にぼんやりとした火(熱)が出てしまうことがあります。
火は上に上がるのと同じように、顔や上半身に熱っぽく、逆に下半身は冷えてしまいことが多いです。
【痰湿体質】たんしつ
このタイプの方は、からだに水が溜まってしまう体質です。
この場合の水は、きれいな水ではなく、汚れた滞った水分です。
臓腑に潤いをあたえた後は、尿に変換されて、水は、普通溜まらないのですが、何らかの理由によって停滞して汚れた水があふれている状態です。
【陽虚体質】ようきょ
このタイプの方は、気虚体質がさらに進んでしまった、かなり気(生命エネルギー)が虚弱になっている体質です。
元気が出ない、元気が出せない状態で、気虚体質よりも状態が悪化してしまっています。
風邪をひきやすく治ってもまた、ぶり返したりします。
メンタル面にも症状が出やすくなるのも特徴です。
【陽盛体質】ようせい
このタイプの方は、臓腑(臓器)の機能が、亢進してしまっている体質です。
体に異常な熱が常に存在してしまっている状態です。
結果、お顔に発疹や、からだに赤くなる症状がみられ、熱の症状も出やすくなります。
体は陰と陽のバランスがちょうど、真ん中の状態が、最も未病(みびょう)のない状態です。
熱は上に上がる性質のため、上半身は熱っぽく、下半身は冷えてしまう場合もあります。
以上、中医学の視点から冷え、不妊、更年期の3つのお悩みの原因を、体質、食生活、ライフスタイル、風土、情報過多、空調設備、また8つの未病の体質別から簡単にご紹介しました。
特に体質については、どんな方でもたった一つの体質だけに当てはまらない場合が多いです。
中には、2つ3つと体質が複合的に重なっている方が多く見られます。
冷え、不妊、更年期のお悩みの原因は、からだの奥でつながっています。
ご自身の体質をより詳しく知りたい方は、体質診断をおすすすめします。
より、ご自身の体質から不調の原因について深く知ることが出来ます。
初回カウンセリングにて、体質診断しております。
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